最高裁判所第二小法廷 昭和25(れ)302 判決
主 文
原判決を破毀する。
被告人を懲役三年に処する。
第一審における未決勾留日数中四十日を右本刑に算入する。
理 由
弁護人高橋吉家上告趣意第一点(第一点だけよりない)について。
しかし、原判決認定の本件犯行はその挙示する証拠によつて認むるに十分である。
所論は畢竟独自の立場に立つて、原審の事実認定を非難するものであつて、上告適
法の理由とならない。然るに、職権をもつて調査するに、原判示被告人の前科事件
の判決確定は昭和二十二年三月十五日であり、その刑は懲役十月であることは、原
判示のとおり此点に関する原審公廷における被告人の供述並びにその前科調書によ
り明らかである。然らばその刑の執行を受け終つたと言い得る時期は早くとも昭和
二十三年一月十四日であることは算数上明確である。然るに原判決の確定した本件
犯行の日時は昭和二十二年十月二十二日であるから、此間刑法第五六条所定の再犯
加重の条件を具備していないものであることは明らかであるに拘わらず、原審は本
件犯行当時既に右前科の刑の執行を受け終つたものと判断し之に再犯加重をしてい
るものであつて、原判決は此点において違法あるを免れない。そして、右の違法は
判決に影響を及ぼすこと明らかであるから、原判決を破毀し当裁判所自ら判決を為
すべき所、原審の確定した事実を法律に照すと、住居侵入の点は刑法第一三〇条第
六〇条に、強盗未遂の点は同法第二四三条第二三六条第一項第六〇条に各該当する
が、右住居侵入と強盗未遂の所為とは手段結果の関係にあるから、同法第五四条第
一項後段第一〇条により重い強盗未遂の罪の刑に従い、尚未遂罪であるから刑法第
四三条本文第六八条第三号により減軽を為し、以上刑期の範囲内において被告人を
懲役三年に処するを相当と認める。そして、刑法第二一条により第一審における未
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決勾留日数中四十日を本刑に算入する。
仍つて、刑訴施行法第二条旧刑訴第四四七条第四四八条に従い、主文のとおり判
決する。
この判決は全裁判官一致の意見である。
検察官 岡本梅次郎関与
昭和二五年六月三〇日
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 塚 崎 直 義
裁判官 霜 山 精 一
裁判官 栗 山 茂
裁判官 小 谷 勝 重
裁判官 藤 田 八 郎
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